補助金コラム
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補助金適正化法とは?法律の概要や罰則規定、過去の判例も解説

六法全書

こんにちは。補助金申請センター【九州/山口版】です。

新型コロナウイルスの影響により、国や地方自治体がさまざまな切り口の補助金・助成金を打ち出しています。2020年は、今まで補助金や助成金にあまり縁がなかった個人事業主の方や法人にとって、より補助金というものが身近なものになった年ではなかったでしょうか。

今回は1955年にはじめて制定・施行された「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」いわゆる「補助金適正化法」について解説します。

補助金適正化法の概要

法律のイメージ

補助金適正化法は、昭和30年8月27日に施行されました。

法律が制定されたのは60年以上前ですが、現在に至るまでに昭和・平成・令和で何度も改正されています。

補助金適正化法の目的

この法律の目的を定めた総則では、次のような書き出しから始まっています。

第一条

この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。

厚生労働省 ・補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(◆昭和30年08月27日法律第179号)より引用

つまり、補助金に関して基本的な事項を規定することによって、補助金の不正申請や不正使用を防止し、かつ予算の執行や交付決定のスムーズに実施するための法律なのです。

罰則規定

逮捕されるスーツ姿の男性

同法の第六章には罰則について以下のように規定しています。

第六章 罰則

第二十九条
偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(中略)

第三十条
第十一条の規定に違反して補助金等の他の用途への使用又は間接補助金等の他の用途への使用をした者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

厚生労働省 ・補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(◆昭和30年08月27日法律第179号)より引用

第二十九条と第三十条の違いは文面だけを見ると違いが分かりづらいですが、第二十九条は嘘の申請など不正な手段によって補助金を受給した場合に、5年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処せられます。

一方で、第三十条は申請内容そのものは正しかったものの、事業を遂行する義務に違反し、補助金を他の用途に使用したケースを想定した罰則になります。3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処せられます。

その他、下記のような罰則規定もあります。

第三十一条
次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。

一 第十三条第二項の規定による命令に違反した者

二 法令に違反して補助事業等の成果の報告をしなかつた者

三 第二十三条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者

一は、行政による事業の一時停止命令に違反したケースで、続いて二は、同法で定めた事業の成果報告等の義務を怠った場合に適用されます。三については報告徴収命令を履行しなかった者や、虚偽の報告をした者、立入検査又は質問を拒否したもの、虚偽の答弁をした者などが対象となります。 

三十二条
法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定のあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、当該法人又は人に対し各本条の罰金刑を科する。

こちらは法人の代表者が法人の業務に関して、不正受給や他用途での使用等の違反が合った際に、実際に行った人(行為者)を罰しつつ、法人格についても前述の同法第二十九条、第三十条、第三十一条に従って処罰されるというものです。

このような法律条の規定を「両罰規定」といいます。

厚生労働省 ・補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(◆昭和30年08月27日法律第179号)より引用

不正・不当行為に対する処分について

落ち込む男性

前述の罰則規定はあくまで刑事罰としての罰則になります。
補助金適正化法では、罰則規定とは別に不正行為を行った際の処分についても下記のように定めています。

(1)事情変更による交付決定の取消し等 (補助金等適正化法第10条)
交付決定後になんらかの事情の変更により、補助事業を継続する必要がなくなった場合、行政は交付決定を取り消すことがあります。

(2)義務違反に対する交付決定の取消し (同法第17条)
補助事業者が補助金等を他の用途で使用したり、その他法令、交付決定条件や主旨・内容に違反したときは、行政庁は交付決定を取り消すことがあります。※補助金額の確定後も同様です。

(3)補助金返還命令 (同法第18条)
交付決定の取消しが実施された際には、受給した補助金を返還しなければなりません。

(4)加算金及び延滞金 (同法第19条)
補助金の返還を命じられたときは、補助金額に加えて、納付の日までの当該息に相当する加算金を併せて納付しなければなりません。また納期期限までに納付しなかった場合は、別途延滞金を納付しなければなりません。

補助金適正化法の過去の判例を紹介

弁護士の男性

 

同法が関連している過去の判例については、下記リンクより裁判所のウェブサイトをご覧ください。

補助金適正化法の裁判例結果一覧 | 裁判所 - Courts in Japan

不正受給、虚偽申告、不正利用は絶対にNG

ダメのポーズをする女性

いかがだったでしょうか。今回は補助金適正化法について、法令の概要や罰則規定、処分内容、過去の判例について解説しました。

最近では持続化給付金の不正受給で若者を中心に過去に例を見ないほどの規模で多数の摘発や自主返還の申告が起きていますよね。

自主的に返還の申告を行えば罰則なしという、異例の呼びかけを経済産業省が行っています。それだけ、今回の大規模であることが伺いしれます。(被害額はなんと数億円にのぼるという試算もあるほどです。)

補助金といえど、その原資はあくまで私たち国民の税金、不正・不当な利用は到底許されるものではありません。

いうまでもなく助成金や補助金は、本来の事業趣旨に沿った、有意義な使い方をすべきです。

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